世界保健機構WHOデジタルクリアリングハウスがGVEの提案を採用
パスポートを利用した予防接種履歴に基づく入国審査補助システム(VICSA)

GVE株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:房広治、以下「GVE」)とシミックホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中村和男、以下「CMIC」)は、「ワクチン情報チェックシステム」以下(VICSA)を共同開発しました。VICSAは、空港でのパスポート情報とワクチン情報を効率的に管理し、ワクチン接種証明書が接種時に記録されたオリジナルの医療文書に基づいているかどうかを確認します。これにより、偽造や虚偽の証明書の作成を不可能にし、出発前の空港や到着時の入国審査で迅速かつ正確にワクチン接種状況を確認できるようにします。

VICSAの大きな利点は、旅行者がスマートフォンや特定のアプリを使用せずともワクチン接種状況を確認・登録できる点です。これにより、旅行者の利便性が向上するだけでなく、不正リスクの軽減にもつながります。このような技術と安全性の高さ、そして利便性により、VICSAは世界保健機関(WHO)のデジタルクリアリングハウス(https://dch-test.who.int/search)にも採用され、グローバルに活用されることとなりました。

開発の背景

GVEのグローバルアドバイザーであるオックスフォード大学のジョージ・ホランダー教授は、個人の医療情報をデジタルで記録するには高度なセキュリティ保護が必要だと述べています。現在の基準では、この要件を十分に満たしていないケースが多く見られますが、GVEが提供するプライベートキーインフラストラクチャは、他社の技術にはない強力なプライバシー保護を提供します。

ワクチン接種記録を文書化し、提示できる能力は、COVID-19のパンデミック対策における重要な要素でした。日本では、デジタル庁が主導する「ワクチン接種記録システム(VRS)」が構築され、地域および国の政府機関間の連携を促進し、海外渡航者向けにワクチン接種証明書の発行が行われています。しかし、各国で使用される電子証明書や紙の証明書は形式が異なるため、渡航前の書類確認や入国審査は時間がかかり、エラーが生じやすく、使用されるシステムとの互換性がない場合もあります。さらに、これらの証明書は偽造の対象となることもあり、QRコードのような形式は簡単に改ざんされ、偽造された健康証明書が不正に取引されるケースも見られます。

そのため、ワクチン接種証明書の信頼性を自動で確認し、偽造を迅速に識別できる、普遍的で安全なデジタルシステムが必要とされています。VICSAは、ワクチン接種証明書を安全に文書化し、今後のパンデミックに備えても安心して国境を越えた移動ができるシステムを提供します。

WHOへの提案

このような安全で確実かつ正確な医療データ交換の重要性が高まる中、GVEは日本初の臨床研究受託機関であるCMICと協力し、空港でパスポート情報とワクチン情報を管理する「ワクチン情報チェックシステム」(VICSA)を開発しました。VICSAは、接種時に記録されたオリジナルの医療情報に基づいてワクチン接種証明書を確認し、偽造証明書の作成を不可能にします。また、VICSAは個人のワクチン接種履歴をパスポート情報と直接リンクさせるため、出発前に目的地の入国要件を満たしているかどうかを迅速に確認でき、入国審査をスムーズに行えるようにします。

さらに、VICSAはスマートフォンや特定のアプリを使用する必要がなく、旅行者の利便性を大幅に向上させるとともに、不正行為のリスクを大幅に減少させます。これらの技術的な優位性と安全性により、VICSAはWHOのデジタルクリアリングハウスに登録されています。

提携の詳細

GVEは、CMICと密接に協力し、VICSAプラットフォームのさらなる進化を遂げました。GVEは、センシティブな情報の交換においてリアルタイムでデータを共有し、比類なきエンドツーエンドのセキュリティを提供する技術およびインフラストラクチャの分野で世界をリードしています。CMICは、企業や政府に対して国内外で医療ソリューションを提供する、日本を代表するリーダー企業です。GVEとCMICの専門知識を結集することで、他のどのプラットフォームにも勝る安全で迅速かつ機密性の高いワクチン接種証明書の文書化および検証を可能にするソリューションが生まれました。

GVEは、VICSAおよびその実装に関するお問い合わせに対応いたします:info@gve.net

今後の展望

GVEは、VICSA技術に基づき、電子医療記録(EMR)向けのデジタルソリューションおよび統合インフラストラクチャを開発しています。このプラットフォームは、政府や多様なステークホルダーがデジタル医療データを安全に保存し、迅速かつ機密性の高い方法で交換できる貴重なリソースを提供します。GVEのプラットフォームソリューションは、医療サービスの提供を促進し、リアルタイムでの健康関連データの保存とアクセスの精度を向上させることを目指しています。

また、GVEは公開鍵基盤(PKI)のコストや消費電力、スペースの問題、24時間体制のITサポートの必要性、データセキュリティリスク(HIPAAなどへの準拠)といった課題を解決する、革新的なデジタルソリューションも開発しています。さらに、GVEはこの技術を活用し、国や企業が人々の生活やビジネスに革新をもたらすための複雑なデジタルセキュリティインフラの設計と提供にも注力しています。

図1. VICSAシステム図

その他の情報

WHOデジタルクリアリングハウスカタログ
https://dch-test.who.int/search

WHOデジタルクリアリングハウス評価結果
https://dch-test.who.int/search-solution/464bc445-7771-420c-a495-13ce4a80c000

GVE株式会社について

GVE株式会社は、2017年に設立され、量子コンピュータベースのセキュリティ技術にも脆弱性があるという認識された脅威に対して、世界初のデジタルインフラを開発しました。GVEは、全世界の80億人と3億以上の企業が200の異なる法定通貨で、中央銀行および民間の金融機関向けにリアルタイムグロス決済(RTGS)を提供しています。比類のないセキュリティと低コストでの提供を実現しました。
詳細情報:https://gve.net/jp/

シミックホールディングス株式会社について

シミックホールディングス株式会社は、1992年に日本初の臨床研究機関(CRO)として設立され、現在では日本最大手の1社です。CMICは製薬、バイオテクノロジー、医療機器企業に対し、臨床試験の実施、医薬品開発および製造の支援を行っています。CMICは、世界25拠点に7,000人以上の従業員を抱えています。
詳細情報:https://www.cmicgroup.com